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棚瀬 充史*; 及川 輝樹*; 二ノ宮 淳; 林 信太郎*; 梅田 浩司
火山, 52(1), p.39 - 61, 2007/02
中部日本、両白山地の鮮新-更新世火山は、東南東-西北西方向の九頭竜火山列と南北方向の白山火山列をなす。両白山地における鮮新-更新世火山活動の時空分布を石基試料のK-Ar年代に基づいて検討した。初期(3.51.5Ma)には、二つの火山列の交点付近での火山活動が見られる。1.20.7Maには、九頭竜火山列で東南東端の烏帽子・鷲ヶ岳火山から西北西端の法恩寺火山へ火山活動が移動する。その後、白山火山列の活動が0.4Maに始まり、現在まで継続している。
及川 輝樹; 西来 邦章*
火山, 50(2), p.143 - 148, 2005/05
塩嶺層最上部を構成する霧ヶ峰火山の火山岩から2つのK-Ar年代を測定した。既知の層序・年代値と新たに得られた年代値をまとめると霧ヶ峰火山の活動期間はおよそ1.30.75Maで、追分火山性地溝帯は約0.85Maに急速に形成された可能性が高いことが明らかになった。既知の研究と今回の結果より塩嶺層の主な形成時期は約1.50.75Maである。
梅田 浩司; 上原 大二郎; 小川 康雄*; 工藤 健; 角田 地文
火山, 48(6), p.461 - 470, 2003/12
紀伊半島の深部地下構造を把握するため、広帯域MT法観測による比抵抗構造調査を行った。また、近年考案されたファーリモートリファレンス処理等によりS/Nや再現性の高いデータを得ることかできた。その結果、地下30kmまでの比抵抗構造を推定することが可能となった。比抵抗構造によると地下1015km付近には顕著な低比抵抗層が広範に分布するとともに、熊野酸性岩体および大峯酸性岩体の直下には高比抵抗体が認められた。
梅田 浩司; 林 信太郎*
火山, 46(3), p.95 - 106, 2002/00
K-Ar年代測定法は、従来、100万年より古い岩石を対象とした年代測定に適した手法であると考えられてきた。しかしながら、近年、測定・補正法の改良が進み、10万年数万年といった岩石の年代を測定することが可能とされている。今回、東北南部の安達太良火山を対象に系統的なK-Ar年代測定を実施し、測定結果とテフロクロノロジーによって得られた年代値の比較を行い、若い火山の活動史の編年を行う際の適用性について議論した。その結果、1)10万年程度の若い火山においてもK-Ar年代測定が十分に適用可能であること、2)テフロクロノロジーを組み合わせることにより12万年程度の誤差での編年が可能であることなどが明らかになった。尚、上記の研究成果は、地質環境の長期安定性の研究にとって重要な火山活動の履歴を高精度で編纂する手法として活用される。
梅田 浩司; 伴 雅雄*
火山, 44(5), p.233 - 249, 2000/00
脊梁山地の第四紀火山活動は、噴出率と活動様式から3つのStageに区分される。Stage 1(1.0Ma)の噴出率は8.4Km3/10,000yで、大規模珪長質火砕流を伴う活動を主体とする時期である。Stage 2(1.0Ma0.6Ma)の噴出率は、4.3Km3/10,000yでStage1の1/2程度に減少する時期である。Stage 3(0.6Ma)の噴出率は、11.8Km3/10,000yとStage 2に比べて増大し、活動様式も成層火山を伴う活動に変化する。これらの噴出率と活動様式の変化は、脊梁山地の広域応力場の変化を反映しており、火山活動がテクトニクスに規制されることを示唆している。尚、本研究の成果は、地質環境の長期安定性に関する研究に反映されるものである。
梅田 浩司; 湯佐 泰久; 河内 晋平*; 小林 哲夫*; 小山 真人*
火山, 44(6), p.285 - 289, 2000/00
日本列島の火山活動の時間的・空間的変化を把握するため、第四紀火山の情報を収録したデータベース「日本の第四紀火山カタログ」の作成を行った。火山カタログの収録火山は、地質調査所による「日本の火山第2版」を基本として、その後、得られた年代測定結果などによって第4紀に活動したと思われる火山の加除修正を行っている。収録したデータ項目は、火山体の構造分類、中心火道の緯度・経度、火山体の面積・体積、噴出物の種類、噴火年代、産出する岩石名とその量比、SiO2組成レンジと分析データ数、文献リストなどである。今回収録したデータは348火山で、「日本の火山第2版」に比べて100火山程度多い。
梅田 浩司; 草薙 恵*; 古澤 明*; 宇井 忠英*
火山, 41(2), p.61 - 71, 1996/00
由布・鶴見火山群では,完新世に溶岩円頂丘の崩壊に伴う火砕流が発生したことが既存の現地調査によって明らかになっている。しかし,火砕流の発生した正確な時期や流下した方向,規模などは,未だ解明されていない。本研究では,別府湾で採取されたコア試料を対象に火山ガラスの抽出分析を行い,上記の活動に由来する火山灰層を同定することを試みた。この結果,コア試料中には,2枚の火山灰層準が認定することができ,このうちの一枚がガラス形態,屈折率などから上記の火砕流に伴う降灰によるものであることが明らかになった。また,この火山灰層の上位と下位の貝殻について14C年代測定を行ったところ本火山灰層の降灰年代(火砕流の発生年代)は約2500年前であることが判明した。海底堆積物を用いた火山灰調査は,陸上での現地調査では得られないような小規模の噴火現象を捉えることが可能であり,火山活動史を調査する上での
梅田 浩司; 湯佐 泰久; 河内 晋平*; 小林 哲夫*; 小山 真人*
火山, ,
日本列島の火山活動の時間的・空間的変化を把握するため、第四紀火山の情報を収録したデータベース「日本の第四紀火山カタログv.1.0(CD-ROM版)」の作成を行った。火山カタログの収録火山は、地質調査所による「日本の火山第2版」を基本として、その後、得られた年代測定結果などによって第四紀に活動したと思われる火山の加除修正を行っている。収録したデータ項目は、火山体の構造分類、中心火道の緯度・経度、火山体の面積・堆積、噴出物の種類、噴火年代、産出する岩石名とその量比、SiO2組成レンジと分析データ数、文献リストなどである。